資料番号⑨NU-102 風力発電装置

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この新しい形式の静翼付小型風力発電装置は、1977年に機械工学科卒業研究として学部生と大学院生が設計・試作を行ったものであります。この風車は例えば南極のように5~10m/s、時には55m/sにも及ぶ高風速にも十分耐え、そのエネルギーを吸収利用することができるように発電機のほかに、うず電流型電磁ブレーキによる回転数一定制御装置を内部に備えており、ある風速以上ではこのブレーキが働いてエネルギーの一部は熱出力としても利用することができます。

本装置は2台製作し、1台は南極昭和基地で第19次越冬隊(1978年)隊員の方々に現地で実地テストをしていただき、1台を駿河台校舎5号館屋上に設置し長期実験の後、船橋キャンパスに展示されました。 本研究の報告は、粟野誠一名誉教授が昭和54年4月日本機械学会第56期通常総会講演会において論文講演されたもので46巻401号(昭和55.1)論文集(B編)にあります。

装置概要

型式 NU-102
ダウンウインド型うず電流型電磁ブレーキを備えた静翼付風力発電装置
発電出力 2.5kW /30m / s
風車翼 動翼 直径 1.2m
翼数24枚
アルミニウム合金一体鋳造品 (AC4A-T6)
軸受:低粘度モビール油によるスプラッシュ自動潤滑方式
静翼 直径 1.2m
翼数45枚
外側カウリング、静翼、内筒はステンレス(SUS304)で一体溶接構造
増速機 東洋精密造機株式会社製
増速比1:6
遊星歯車式
モジュール2
低粘度モビール油によるスプラッシュ自動潤滑方式
ブレーキ うず電流型(間接水冷)
ロータ 径200mm 長さ130mm
発電機 澤藤電機株式会社製
3kW AC-DC
他励2線方式 電圧24V
全長 1348mm
全高 3142mm
重量 346kgf